ライバル?  myuさん キリ番GET プレゼントNOVEL【学園不可思議物語】
いつも思う
僕って、役に立ててるのかな。
大野の、役に立ってるのかな。
前だって、結局骨折して迷惑かけて…
何だか、足を引っ張ってばっかりの気がする。
「はぁ…」
修行のお付き合いが終わり、久しぶりに帰ってきた家の門の前で、町田は溜息をついて、項垂れてしまった。
「ちょっと、どしたの?」
声がして、振り返ると…
「あ、myu先輩」
町田の高校時代の先輩で、ご近所さんのmyuが立っていた。
「暗いよ。全体的に。」
言われて、町田は苦笑した。
「ちょっと…」
「何?悩み?」
「ん〜。悩み、と言えば悩み」
「なんだよ〜はっきりしないなぁ〜相変わらず」
「myu先輩は、相変わらずはっきり言いますね〜」
「だいたいさ、もう先輩じゃないってば」
「あ、そっか」
笑う町田に、myuは「しょうがないな〜」と苦笑して
「悩み、聞いてあげるけど?」
と尋ねる。
「お願いしよっかな」
そう答えて、町田は一度入りかけていた家に背を向けた。
「いつものカフェでよろしいでしょうか」
「仕方がないので、そこでいいです」
「ありがたく奢らせて頂きます」
「気持ちよくご馳走になります」
馬鹿丁寧に会話して、思わず二人で噴出していた。
「なんかな〜myuちゃんと喋ると、ホッとする」
「そ?それにしても久しぶりだね〜こうして町君と話すのも」
町田はずっと忙しくしていて、なかなか姿を見る事がなかった。
密かに心配はしていたのだ。
体壊していないだろうか。
怪我などしていないだろうか。
小さい頃から弟のような存在なのだ。
そんな町田が溜息をついて、あんな不安げな顔で俯いているのを見てしまったら放ってはおけない。
久しぶりに見た、町田の顔が、笑顔じゃない事は、myuにとっても辛かった。
「さて、何飲もっかな〜」
席について、MENUをめくる。
「ハーブティーにしよっかな〜」
ペラペラとめくっていると
「ねぇ」
と遠慮がちな声。
「何〜?」
顔を上げると、少し沈んだ顔にぶつかった。
「どしたの?」
「僕ってさ…役に立ってんのかな?」
「は?」
「僕、今さ、大野のお手伝いしてるじゃない?」
「あぁ、前に少し聞いたけど…」
「それでさ。この間も結局骨折して却って大野に迷惑かけちゃったし」
「骨折??大丈夫??」
聞いてないけど、そんな話!
勢いよくまくし立てられ、町田は少し怯む。
「や、心配かけたら悪いなって…」
本当は、かっこ悪くて言えなかったのだけど。
「全く、やっぱり怪我とかしてんだ」
「ゴメン。でも、違うんだ。それは僕がドンくさいから…」
項垂れる町田。
そんな町田を見て、myuは苦笑した。
「あのさ〜。町君はさぁ〜、自分の事、卑下しすぎだと思うよ?」
「へ?」
「君、そこまで言うほどドンくさくないけど?」
「…そうかなぁ?」
「ん。それにね。役に立たない人間なら、いつまでもそばに置いておかないと思うよ?違う?」
「…そ、っかな」
「あのね。町君は笑顔だけで人を幸せに出来るの」
「は??」
「町君の笑顔って、癒し系。だから、疲れてる時とか、きっと大野君は君の笑顔で癒されてると思うよ〜?」
「役に、立ててるのかな?僕」
「立ってるって。自信持って!そんなに不安なら本人に聞いてみたら?」
「怖くて聞けない」
「何言ってんだか。男の子でしょ?」
「…ん。聞いてみる」
「大丈夫だって。大野君はあんたの事大好きなんだから」
そういってmyuは笑った。
「ありがと。ちょっと元気でた」
町田も笑う。
「その調子!町君はいつも笑ってるのがいいよ。不安な顔とか、しないでよ。心配になるから。笑顔が似合ってるんだから、いつも笑ってて」
言われて、町田は少し赤くなった。
「何か、照れるね」
「何言ってんの!言ってるコッチのが照れてるんだから!!」
そう言って、myuはカップを手に取り、一気に飲み干した。
「ゴメンね、心配かけて」
「いいのいいの。ココ、奢ってくれんでしょ?」
と、その時…
「ちょっと!!myu先輩!!!」
聞き覚えのある舌っ足らずな声。
「…屋良っちじゃない。どしたの?」
テーブルの横に立ち、腕を組んで猫眼をさらに吊り上げている。
「どしたの、ぢゃないもん!!抜け駆け!!」
「はぁ〜?」
「町田さんと二人でお茶してるなんて、抜け駆けもいいトコぢゃん!!」
プクっとふくれる。
「屋良っち、相変わらず町君大好きなのね」
笑うと
「いいでしょ!別に!!そういうmyu先輩だって、町田さん好きなくせに〜!!」
「好きだけどね、弟みたいなもんだし?」
そう言ってやると、屋良はさらに頬を膨らまして、町田の手を引っ張り立たせる。
「遊びに行こって約束してたぢゃん、町田さん!!」
「ちょ、屋良っち?僕、今myuさんと…」
「悩み、解消したんでしょ?」
「あ、まぁ」
「だったら、もう話はお終い。屋良っちが拗ねてるから、早く行ってあげな?」
「何それ〜!!余裕な発言〜!!」
まだピーピーとわめく屋良に苦笑しながら、
「その前に、ちゃんと会計」
と、町田に釘をさす。
「うん。ゴメンね。今度はゆっくりご飯でも…」
言いながら、ゴソゴソと漁っていた町田の手が止まる。
「何?」
「…ゴメンね。」
「何が?」
「…お財布、忘れた」
「………。」
大爆笑。
「えっとえっと…ご、ゴメンね!!」
「いいよ。しょうがないな〜もう。町君らしすぎて怒る気にもならないし。今日は私が奢ってあげる」
そういいながら、不図屋良を見て
「ねぇ、抜け駆けしちゃったお詫びに、屋良っちにも奢るけど…何か、食べてかない?」
「…敵の情けは受けないもん」
「本当〜に食べないの?」
「……そ、そこまで言うなら奢られてもいいけどぉ」
「可愛いねぇ、相変わらず。ほら、座って」
促して、MENUを差し出す。
「……あ!!一つだけ言っておくけど」
そう言って、屋良は町田の腕を組み、空いてる手でピシっとmyuを指差し高らかに宣言した。
「町田さんは、渡さないから!!」

数秒の沈黙の後…

町田はキョドキョドし始め、myuは爆笑し、周りはすっかり注目し…
「…何?俺、何か変な事言った??」
焦った屋良は思わずmyuに尋ねる。
「私に、それを聞く?」
笑いながらも、屋良の頭をポンポンと叩く。
「ホント、いつ見ても可愛いわぁ〜。言っとくけど、今君はすっかり周りの人達に誤解されてるけど?」
言われて、少し考えてから…
「うわ〜!!そういう事?違うって!そうぢゃないって!!」
大きな声で否定し始める。
「何を今更〜。私たち、ラ・イ・バ・ルなんでしょ〜?」
少し意地悪く笑ってやると
「myu先輩の意地悪〜!!」
と机に突っ伏す屋良。
耳まで真っ赤になっているあたり、相当恥ずかしいらしい。
「町君、屋良っちにこんなに思われてるんだからさぁ。自信持ったら?」
「…何でそうなる?」
「そういう事でしょ、だって」
言いながらmyuは、少し照れたような困ったような顔の町田を見て、また笑った。

いつまでも、こうして楽しく笑える時間をあげられれば。
そうして、笑ってくれるのなら。
安心して、旅立つ君を送り出してあげられる。

「お似合いよ、あんた達」

支え合って、助け合って、切磋琢磨して。

二人が成長していく姿を、見守っていきたい。

それが

「ライバルの役目ってやつかしら?」

何だかんだと、もうすっかりじゃれあっている二人を見て呟いた。







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ご、ごめんなさい!!!
こんなのでごめんなさい!!!!
学校を舞台に書くつもり満々だったんですけど…
町田さんが卒業している事に気がつきまして(爆)。
異世界の方にしようかとも思ったのですが…
ちょっと書きはじめたら手が止まらなくなりまして(汗)。

お待たせしたクセに、こんな仕上がりで…
お世話になっているmyuさんに大変申し訳ない事この上ないです(土下座)。
返品は可でございます…
こんな作品でございますが…良かったらお納め下さい。

あの…なんか、文章も変だし、何が言いたいのかもわからない感じではありますが…
とにかく、町君は自分で思っているより素敵なんだよ!!
という事を声を大にして言いたかったのです…


あぁ〜本当にごめんなさい〜。
お詫びに、今度GETしていただけましたら「異世界」でしっかりとリベンジさせて頂きます〜。
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