■Prologue…■

ある晴れた日。特になんの変わり映えもしない1日。
そんな何気ない1日が、同じ事を繰り返し続ける日々に、ある重大な変化を起すきっかけとなる事もある。そう、彼らのように…
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「あ〜つまんねぇの」
3時限目の授業開始の合図と共に学校に背を向けて歩いていく。伸びをしながら、ネコのような眼に涙を浮かべるほど大きなあくび。
耳にはヘッドフォン。左手になんにも入っていないカバンを抱え、右のポケットからガムを取り出し口の中に放り込む。
「家にいるかな?」
いつもの場所に向おうとしている彼の名前は「屋良朝幸」。
St.thmc高校の1年である。
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「ただいま〜。二人とも、居る?」
ある家の玄関を、まるで自分の家のようにあける。
「入ってきていいよ〜」
声がする部屋のドアをあける。
「もう入ってるよ」
「おかえり。今日も早かったねぇ」
「ちゃんと勉強してこなきゃダメじゃん」
二人で笑いながら屋良を見る。
「…って二人が先に帰るからじゃん!!」
「いないほうが悪いよ」
ソファーに座って携帯でメールをうちながら、開き直っている彼の名前は「高木誠一郎」。
屋良と同級生である。
「誘おうと思ったら、屋良っちいなかったんだもん」
申し訳なさそうに“ゴメン”と手で合図しているのはこの家の住人「植村良侑」。彼らより1つ年上だ。
「あ、俺屋上で寝てたわ、そういえば」
「だからメールで呼び出そうと思ってたんだけどね。もう来ちゃったから…町田君でも呼ぼうか?」
「あ、それ賛成〜。町田君と遊びたい!」
「だよねぇ〜!!あ、そういえばさ、今日ヘンなもん拾ったよ」
メールを打ち終わり、ソファーから立ちあがって誠一郎が言う。
「ヘンなもの?」
「そ、学校のゴミ箱に捨ててあったんだけど…」
カバンから取り出したのは1枚のCD-ROM。
「…Blue World?俺、ゲームってしないんだけど…」
「でも、ちょい見てみたくねぇ?なぁ良侑?」
「う〜ん、でもなんだか怪しいような気もするよね」
「いいじゃん。とにかくやってみせてよ」
3人がパソコンに近づく。
良侑がCD−ROMを入れる。数秒たつと、よくあるRPGのような画面が表示される。
「名前を入れてくれってさ」
「じゃ、誠一郎」
「えっと、せ、い、い、ち、ろ…」
ピッ…
【Name:Seiichiro Takagi】
「あれ?今、良侑苗字も入れたっけ?」
「…入れてないよ。なんで…」
困惑する良侑の眼の前で画面は自動的に動き出す。
【Age:16】
【No.1001】
【Team:BLUE】
「な、なんだよこれ…」
「ねぇ、なんかヤバくない?」
屋良も少し気味悪そうに画面を見つめる。
「え?なんで?すごいじゃん!!大丈夫だって!!お前等も入れてみろよ」
顔を見合わせる二人…その隙に誠一郎は二人の名前を入力する。
「えっと、よ、し、の、….」
ピッ…
【Name:Yoshinori Uemura】
【Age:16】
【No.1002】
【Team:BLUE】
「あ、やめろよ!高木!!」
二人が止めるころにはすでに屋良の名前もインプットされていた。
ピッ…
【Name:Tomoyuki Yara】
【Age:15】
【No.1003】
【Team:BLUE】
「あ〜!!誠ちゃんってば、何勝手に入れてんのさ!!」
「もう遅いよぉ〜」
「ちょっとコレ見てよ!!」
後で騒いでいる二人に良侑が真剣な口調で呼びかけた。
二人が画面を覗き込む。とそこには…

Welcome to Blue World…

Welcome to My Territory…

※警告※

このゲームはクリアー(Survive)

またはゲームオーバー(Death)

以外、終了する事は出来ません。

セーブ・リセット等の機能は作動

しませんのでご注意下さい。


「な、なんだよ!!コレ!!!!」
「絶対ヤバイよ…」
「な、なんだよ!!とりあえずクリアーすればいいんだろ?」
「でも、クリアーできなかったら…」
「…死ぬって事?」
「ま、まさか!!!だってただのゲームじゃん!!!」
「ただのゲームが、どうして俺達の名前知ってるんだよ!」
「…なにかあるんだ。きっと、このゲームには何かが…」
焦る3人の目の前で画面が真っ青に変わる。
そしてゆっくりと1つづつ文字が浮かび上がった。

【…ア・オ・ノ・セ・カ・イ・ヘ・ヨ・ウ・コ・ソ…】

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一から書き直す事にしました。今までの青の世界は忘れてください(苦笑)。
元々はシリアスなものを書こうと思ってたんですよ。それがいつのまにやらコメディチックなモノになってしまって…で、納得いかないまま書いてたんですが…この度、やっぱり納得できないって事で(苦笑)、思いきって書きなおします。今度こそ痛い連載にしていこうかと…
それにしても、痛いの好きだな、私(苦笑)。

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