○●ゆびきり●○ ずっと一緒にいようね 約束しよう そう、 忘れちゃダメだよ 嘘ついたら… ね、 ゆび、きった 「太一君」 耳元で叫ばれたので、思わず飛び上がると、 「イテッ!!」 声の主の顔に頭をぶつけたらしい。 「んだよ。いきなり叫ぶなよ」 「だって、全然気付かないから」 そんなに呼ばれていたのか。 「あ〜ゴメン、」 素直に謝るべきところは謝っておこう。 「何か、考え事?」 そう言って、長瀬は俺の隣に座った。 「まぁ、考え事っていうか…」 そこまで言って、俺は言葉を区切る。 何て言えばいいんだろ。 考え事って感じじゃなくて。 …あぁ、そうか。 「白昼夢」 そう呟くと、長瀬は方眉を微かに上げると、 「それ、何すか?」 と真顔で聞いてきた。 「んとねぇ、現実的じゃない空想って事」 「空想?」 「そ。…でも、正確に言うと、白昼夢でもないんだよな」 何だろ。 少し考え込んでると 「太一君、俺の事忘れてるでしょ」 拗ねた声。 「あぁ、ゴメン。忘れてた」 正直に言うと 「ひどいっすよ。そんなあっさり…」 さらに拗ねた。 正直すぎるのもよくないらしい。 「やっぱり、白昼夢なのかなぁ。ありえないもんな」 ヒトリゴトのように呟いた言葉に、長瀬は敏速に反応する。 「どんな夢?」 「夢っていうか…男の子がいてさ。どうやら一人は俺みたいなんだけどね。その子達が「ゆびきり」してるんだ」 「…それの何処がありえないんですか?」 長瀬の不思議そうな声。 「まぁ、コレだけ聞けば全然意味わかんないと思うんだけどさ。それが、ここ数日、ずっと見るんだ。しかも場面は変わってる。登場する男の子も変わってる。最初に見たときはすごく昔の風景って感じで。でも、さっきのはそんなに古くないな。でも、今の街並みではないと思うけど。でも、必ず「ゆびきり」してんの」 ね、不思議でしょ? そういうと、長瀬は少し時間を置いて尋ねてきた。 「何の約束なんだかわかる?」 「何だか、一緒にいようって約束してるみたい。ずっと仲良くしていよう、みたいなさ」 そう告げると、長瀬はフワっと笑った。 「よかった」 「え?」 「それ、白昼夢じゃないっすよ」 「は?どういう事?」 「だって、それ現実だもん」 意味が、わかんないけど。 「あれ、思い出さない?」 不満そうな長瀬の顔。 「何を?」 思わず首を傾げる。 「じゃあ、指かして」 は?? 「早く〜!!」 何だよ、もう。 そう思いながら人差し指を差し出すと 「違うって、小指」 ニカっと笑う長瀬に、一瞬何かを思い出しかけた。 小指を差し出すと、長瀬も小指を差し出してくる。 「ずっと、仲良くしようね。かけがえのない友達だから。約束だよ?忘れちゃダメだよ」 長瀬の言葉に、全てがよみがえる。 あぁ…あぁ、そうだった。 そっか。夢でも何でもなくて… これは…長瀬との約束だったんだ。 「思い出した」 そう告げると 「良かった」 また、言った。 「何が?」 問いかけると、長瀬はホッとした顔で 「だって、太一君覚えてなかったら、うそつきって事になっちゃうじゃないっすか。そしたら針千本飲まさなきゃってハラハラした」 そう言って、またニカって笑うと立ち上がる。 「次の時は、忘れないで下さいね」 そう言って、長瀬は他のメンバーの所に戻って、何もなかったように楽しそうに話をしてる。 「忘れないよ」 大事な友達との約束だもの。 ゆびきり、したし。 嘘ついたら、針千本だし ね? Noveltopへ |
何だこれは(爆)。 無理やり短編書こうとするからいけないんだよね。 っていうか、無理あるよね。 輪廻転生とか、前世の記憶とかをイメージしちゃったんだよね、「ゆびきり」って言葉から(何故)。 まぁ、運命共同体って事で。 こんな事でお題を達成出来るのだろうか… |