++最終章++

「兄は…大野さんに助けて欲しかったんだと思います」
ずっと、あなたの事を呼んでましたから…
目を覚ました山下は、そう告げて帰っていった。
疲れきっていたらしく、そのまま良知の家に全員で帰り…眠りに落ちていたらしい。
「ん…」
島田が眼を覚ますと、そこにはコーヒーを飲む石田と町田の姿が。
「…あれ?他の人は?」
尋ねると、町田は黙って床を指差す。
「…あ、こんなとこに」
ソファの上で猫のように丸くなっている屋良。そのソファの横で、ぐっすり眠る大野。
そして…
「なんで、机の下にいるわけ?」
気持ち良さそうに眠る萩原を見て、島田は首をかしげた。
++ ++ ++
「島田も、起きたんだ」
玄関から良知の声がする。
「あれ?どこいってたの?」
「買物。皆お腹減ってない?」
「すげー、減ってる」
石田が言う。
「だから、食べるモノ買ってきた」
と良知が言ったとたんにムクっと起き上がる2つの影。
「お腹すいた…」
「のじゃ、」
そこには、同じ仕草で眠い眼を擦りながら訴える大野と萩原がいた。
「反応…早いね」
良知が少し呆れたのは言うまでもない。
++  ++ ++
「大変だったけど…結局滝沢君を助ける事ができてよかったよねぇ」
良知の買ってきたお菓子を幸せそうに机一面に並べながら萩原が言う。
「うん、萩原のおかげだね」
そのお菓子を嬉しそうに選ぶ大野。
「そんなことないよぉ。大野君いたから解決できたんだよ」
「いやいや、萩原のおかげだよぉ」
と、ニコニコと並んでお菓子を頬張る二人。
少し、呆れながら島田が言う。
「終わったんだなぁ」
夢みたいだったけど…
「すごかったよな…」
石田も頷く。
「今度こそ、七不思議は終わったんだよ」
2度と、現れる事はないんだ…
良知が、呟いた。
その先では、
「起きないのじゃぁ〜」
「ホントだぁ」
眠る屋良にちょっかいを出して、逆ギレされてる大野と萩原がいた。

「あれが、あんなにすごい事した人達かと思うと…」
疑っちゃうよな…別人だろ、絶対…
すっかり呆れた島田が呟いた。
++ ++ ++
「のどかだねぇ」
昼休み、ペットボトルのお茶を飲みながら、萩原はそっと呟く。
今までのことがウソみたいだよ…
「あ、萩原」
目の前の野田が呼ぶ。
「なぁに?」
「お前、最近忙しそうで一緒に昼食べてなかったから…」
今日はお菓子準備しておいたよ…
「ありがとぉ〜、野田君大好き」
そういって差し出した萩原の手を掴んだのは…
「萩原ッ!!すげーニュース!!」
早く来いよッ!!!
そういって引っ張っていく島田。
「あ、ちょっと…お菓子ッ」
野田君、助けて…
そんな萩原の悲痛な叫びが虚しく響く…

ある、晴れた日の昼休み。


*******
ラストです!!!
とりあえず、色々詰めこもうと思ったんですが、最終話は本当に何気ないまったりした感じにしようと…。
こんなラストで良かったですかね(汗)。
それにしても…こんなに長くなるとは当初思ってもみませんでした。
思い付きで書いたモノでしたが、徐々に自分の中でもお気に入りの作品になっていきました。
皆様からの感想で励まされながら、なんとかラストを迎える事ができました。
ここまで続けられたのも、読んで下さった皆様のお陰です!!
本当にありがとうございました!!
また、別の連載をはじめたいと思ってますので、そちらもよろしくお願いします。


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