正しいバイトのススメ No.34 | back | next | index |
「遅ぇよ!」 旅館に着いて、車を止めると、そこには既に治樹君たちが立っていた。 「なんだ、二人とも早いね」 良知君が笑って、車を降りる。 「なんや、治樹が妙に張り切ってて」 一哉くんがクスリ、と笑った。 「うるさいわ、一哉」 照れたように、怒った治樹君は、クイっと方向転換して、旅館へと向かう。 「はよ、行こうや。待ちくたびれてクタクタやねん」 「あ、待ってよ!治樹!」 慌てて一哉君が追いかける。 「俺らも、行こうぜ?」 島田の言葉に、僕等も頷いて、旅館へと向かった。 結局、部屋は二人部屋で。 僕は案の定というか、なんというか。 島田と一緒で。 「……癒されない」 思わず、ボソッと呟いた台詞に 「ん?何か言ったか?」 ……こんな時だけ、地獄耳になる島田が聞き返す。 「何も言ってませ〜ん」 シラっと答えて、ガサゴソと荷物を漁る。 「何やってんの?お前」 呆れたような島田に 「だって!温泉だよ?まだ、お昼過ぎだよ?夕飯の前にゆったりまったり温泉入らないと!!」 「……そんなに急がなくても温泉は逃げねぇよ」 「何言ってるの!温泉来たら、最低3回は入らないと〜!!」 気合の入ってる僕の叫び声に 「幸人君の言うとおり〜!!」 ガラっとドアが開いて、友一君の声がした。 「馬鹿が、増えた……」 ちょっと。聞えてるよ、島田! 「幸人君〜直樹なんて放っておいて、露天風呂行こうぜ〜」 「うん、行こ〜。治樹君たちも誘ってさ〜」 「はいはい。いってらっしゃい。ゆっくりしといで。その方が、静かだから」 じゃあな、 と、ポイっと放り投げられて、僕等は部屋の外へと追いやられた。 「……酷い、この扱い」 呟く僕に 「今更じゃん、幸人君〜。ほら、へこんでないで、温泉行くぞ〜」 立ち上がった友一君の前に、良知君が。 「あれ?良知君?温泉行かないの?」 尋ねると 「う〜ん、まだ、いいかな?それより、少しのんびりして景色を堪能したいな」 「なんだよ〜良知君まで、直樹と同じ事言ってさぁ〜」 「ん?直樹は行かないの?」 「邪魔だから早く行けって言われたの……」 拗ねて言うと、 「ま、直樹の口の悪さは愛情表現だからね。気にせず温泉堪能しておいで?」 そう言った良知君は、僕の部屋のドアを開ける。 「へ?」 「直樹、いるんでしょ?お茶でも淹れさせてのんびりしてるよ〜」 パタン、と閉じられたドアに 「ずり〜よ〜!俺も良知君とお茶してのんびりしてぇ〜よ〜!」 叫ぶ友一君 …………………………ちょっと、ウザいよ、友一君。 心の中で、呟くと 「ウゼぇ、友一。部屋まで聞えて迷惑やねん」 オブラートに包む事を知らない治樹君が、ストレートに言い切った。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ うっひゃ〜! めっさ久しぶりちゃう? 35更新〜! ちょっと短いけど、リハビリね! つーか、この旅行、何も考えてないから、何も起きずに帰ってきちゃうよ?(爆)。 いや〜久しぶりにホストが書きたくて書きたくてしょうがなくなってしまってね〜(笑)。 また、ちょこちょこ更新しますね、これも。 折角なので、MAメンバーも出そうかな〜 |