++NO.1++

「萩原、今日暇?」
帰る仕度をしていると、島田が話しかけてきた。
「あれ、なんで島田がいるの?教室、隣だけど…」
「って、もうHR終わったんだって。帰るんだろ?迎えに来た」
…なんで?なんで迎えにくるの?
「でさ、今日。暇?」
「…暇、だけど」
島田が「暇?」と聞いてくる時はいつもなんかあるんだよねぇ。
「ちょっと、付き合えよ」
「どこに?」
「手伝って欲しいんだ」
「何を?」
「絶対、誰にも言うなよ」
…ってさぁ、さっきから会話になってないんだけど…。
「だから何を??」
「バイト」
はぁ?
「バイトって??」
尋ねる僕の手を、島田が無理やり引っ張っていく。
「くればわかるよ」
こうなったら諦めるしかない…
「ねぇ。なんか食べさせてくれる?」
「いくらでもッ」
…だったら、行ってもいいかな。
黙って、島田に引っ張られるままついて行く事にした。
++ ++ ++
目の前にある建物は…
「ね、島田。コレって…」
「いーから、早く」
島田は有無を言わさずその建物に入っていく。
「おはよーございます」
そこには…黒いスーツを着込んだ人達がいっぱいッ!!
「あれ、直樹。誰、その子」
「あー、これ。前に店長、人出欲しいって言ってたじゃん。どうかと思って」
そういって差し出される僕は…何がなんだかさっぱりわからないッ!!
「ふーん、いいじゃん。君、名前は?」
「え、っと…萩原幸人です、けど」
「幸人くん。なんか、特技ある?」
「特技…あ、食べる事…」
「や、そうじゃなくて…」
「…えっとぉ。あッ!!僕、回れます」
「は?」
「7回転とかできますけど」
「ハハッ…面白いね、君。気に入ったよ」
握手を求められる…。一体なんの握手??
「すげー。真次に気に入られたら間違いなく店長にも気に入られるよ」
すげーな、萩原。
感心している島田…何?何がスゴイの??
「早速だけど、今日から働いてく?」
働くって…?
「あの…」
「何?あ、俺の名前言ってなかったね」
妙にキラキラした笑顔で、その人は続けた。
「良知真次。真次って呼んでよ」
や、そうじゃなくて…
「店長に挨拶してこなきゃね」
だから、何がなんだか…
「あのッ」
「あ、そうそう。お腹すいてない?これから軽く食べるんだけど…一緒にどう?」
「食べますッ」
あッ!!!つい、反応しちゃったッ!!
「クス…やっぱり面白いね、幸人くん」
そう言って、真次って人は中へ入っていく。
…なんだか、わけわかんないけど。
あの人、イイ人っぽいし。ご飯食べれるっていうし…。
ま、いいか。

こうして、知らない間に、僕の新しい生活は始まろうとしていた。

*********
えー、タイトルからして、パクってるんでおわかりだとは思いますが(笑)新しく始めようとしている連載が、あまりにもシリアスになりそうだったので、バランスをとろうと勢いで始めてしまった連載です(笑)。
なので、どんな感じに続くかも、どんな話にするのかも何にも決まってません。とりあえず、軽いノリにしたいなぁと思ってます。もしかすると、皆様のリクエストで登場人物やストーリーが決まっていくかもしれません(笑)。
こんな感じのお話ですが、お付き合いくださると嬉しいですvv


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