++番外編++
『遊ぼう…ねぇ、遊ぼうよ』
息が苦しくて、目がさめた。
いつも抱いて寝ているぬいぐるみを、怖くて一層強く抱きしめる。
「誰、だろ…」
夢で語り掛けるその声は、誰のものなんだろうか。
「…怖いよぉ」
耐えきれない恐怖に、思わず携帯を握り締め、メモリーの1番を押す。
「もしもし」
「もしもし?仁??怖いよ、助けてよッ」
「はぁ…?亀、どうしたんだよ?」
「怖いよぉ、もう、眠れないよぉ」
そんな、泣きじゃくる亀梨の為に、赤西は亀梨の家へ向かう。
急いで出てきたので、色々忘れ物をしたようだ。財布もない。
親に言って来る事も忘れていた。
でも…、途中、携帯をかける事だけは忘れなかった。
++ ++ ++
「亀、大丈夫?」
部屋につくと、ベッドの上で泣きじゃくる亀梨の背中をさすりながら、尋ねる。
「大丈夫じゃないよぉ…。怖いよぉ」
半分、壊れているような亀梨の頭をヨシヨシと撫でる。
「大丈夫。助っ人呼んだから」
「助っ人??」
真っ赤な眼で赤西を見る。
「そう、すっげー頼りになる助っ人」
もう、来るよきっと。
赤西はそう言って笑った。
++ ++ ++
「島田ッ!!やべぇよ、なんか。亀んとこに、なんか出たみたい」
今から、皆集めて来てよ。
そう言って、赤西は電話を切った。
どうやら大変な事態が起きているらしい。
でも…
「夜中に、突然かけてきといて、偉そうなヤツだな」
全く…
そう呟きながら、島田は萩原の家へ向かう。
途中、良知に電話を入れた。
++ ++ ++
「もしもし」
「良知君?俺、島田」
「あー、どうしたの?こんな時間に」
「なんだか、亀梨のとこに出たみたい。赤西から電話きた」
「亀梨のトコ?わかった。すぐ行くよ」
「俺、萩原連れてから行く。あと、石田に…」
「あ、大丈夫。石田なら…」
電話を取り上げられる。
「ここにいるから。亀梨の家集合、な」
じゃあな。
そういって石田は携帯を切る。
「…勝手に切るなよ」
「だって、用件は全部聞いたじゃん」
なんか、聞く事あった?
そう尋ねる石田。
「ない、けどさぁ」
だいたい、人の家に泊まりにきてるわりに態度がでかい。
…が、本人には言わない良知だった。
「さて、行こうか。亀梨の家」
++ ++ ++
萩原の家についた島田は一向に起きてこない萩原の部屋へ向かう。
頭までしっかり布団をかぶった萩原が気持ち良さそうに寝息を立てている。
「起きろよッ」
「…」
「はーぎーわーらーッ!!!」
「んー、」
はぁ…
島田はわざと大きく溜息をつく。
しかし、萩原が起きる気配はまったくない。
「…あ、お菓子」
そう、呟いてみた島田の手を先ほどまで寝ていた萩原が掴む。
「…どこ?」
「…反応、早ぇな」
呆れた島田が呟いた。
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えっと…。番外編のクセに少し長くなりそうな気がしたので、続き物にしちゃいました(爆)。
一応前編・後編で考えてるんですけど…。うっかり3話くらいになってしまうかも(笑)。
だいたい、まだ全然序章って感じだし(笑)。
それにしても.…なんだか、このシリーズ書いてるときが一番ノってる気がする(苦笑)。
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