++番外編++
「なんか、ムカツク」
幸せそうに眠る亀梨を見て、島田が呟く。
「そう言うなよ、ホントに怖がってたんだから」
なだめる赤西に、
「わかってるよ、」
と短く答えて、あくびをする。
ふと、隣に眼をやると…
「…やっぱ、ムカツク」
もっと幸せそうに眠る萩原が。
「…こうやって見ると、普通なんだけどな」
赤西が不思議そうに萩原をみる。
「や、かなり普通じゃないよ」
普段から、行動変だし。
そう島田が苦笑した時、亀梨の身体が急に強張った。
「んッ…」
「ヤバイ、始まったかも」
赤西が叫ぶ。
「萩原、起きろッ!!なんか、起きてるッ!!」
島田が萩原を揺する。
「ん…何か、見える?」
眼をこすりながら尋ねる萩原に
「わかんねぇ、でも…うなされてる」
赤西が答える。
亀梨は、低い声でうなっている。
「…やっぱり」
そういって、萩原は眼を閉じる。
「…何か、あったの?」
良知も石田も眼を覚ました。
「うん…えっと、どこだろ?」
問いかけに、中途半端に答えながらゆっくりと眼を開け、部屋を見回した萩原がふと眼を止める。
「あ、ココだ」
きっと、そうだ。
言いながら、萩原は亀梨の傍による。
「起こさなきゃね」
うなされる亀梨の両肩に手を置き、一気に引き起こす。
「う、わぁ…」
眼を覚ました亀梨が声をあげる。
「大丈夫。もう、大丈夫だよ」
萩原がヨシヨシ、と亀梨の頭を撫でる。
「怖いよ、もうマジ怖いんだけどッ」
半分泣きながら訴える亀梨に、萩原はニッコリ笑って言う。
「怖く、ないよ?お化けなんかじゃないから」
「え?違うの??」
隣で聞いてた石田が驚いて尋ねる。
「うん、違うよ」
霊じゃ、ない。
そういって、萩原は亀梨に問い掛ける。
「ね、このぬいぐるみ。いつ買ったの?」
亀梨が抱きしめてるぬいぐるみを指差す。
「えっと…1週間くらい前」
「それから、ずっと一緒に寝てるの?」
「うん、だって…一人で眠るの寂しいんだもん」
「夢、見始めたのってその頃からじゃない?」
萩原の問いに、亀梨は少し考えてから、コクっと頷く。
「そう、その位から…」
「このぬいぐるみの前に、一緒に寝てたぬいぐるみあったでしょ」
「え?なんで知ってるの?」
「…押入れにね、しまわなかった?」
このぬいぐるみ買った時に。
萩原の言葉に、亀梨は眼を丸くする。
「どうして、知ってんの??」
「押入れからね、気を感じるの」
「…気?」
良知が問う。
「そう、ぬいぐるみの気」
「…前、一緒に寝てたぬいぐるみ、古くて破れてきちゃって…新しいの買ったの」
だから、押入れにしまっておいたんだけど…。
不安そうに呟く亀梨に、萩原は続ける。
「そのぬいぐるみがね、寂しがってるの」
捨てられた、気分なんだよ。きっと。
「だから、出してあげて」
「じゃあ、夢の声は…ぬいぐるみ?」
赤西が尋ねる。
「うん、人形やぬいぐるみは魂が入りやすいんだよ。今まで可愛がられてたのに、新しいのを買ったとたんに、しまわれて遊んで貰えなくなって…寂しいって気が現れてきたんだよ」
だから、綺麗にしてあげて、一緒に眠ってあげて。
「そうすれば、声は聞えなくなるよ」
亀梨は、急いで押入れからボロボロになったぬいぐるみを出す。
「…ごめんね。もう、奥にしまったりしないから」
そう言って、ギュッとぬいぐるみを抱きしめた。
++ ++ ++
「色々、あるんだなぁ」
不思議な事。
石田が呟く。
「…だったらさ、萩原に急に食べてもらえなくなったお菓子とかもそのうち出てくるのかな?」
島田がからかうように笑う。
「ひどいや、そんなにお菓子ばっかり食べてるわけじゃないもん」
それに、いっつもボクが食べようとするのを島田が邪魔するんじゃないか…。
島田のバカ。
拗ねる萩原の頭に、良知が手を置き、話かける。
「とりあえず、もうすぐ朝になっちゃうし。家、帰るよりも、俺の家の方が近いだろ?」
お菓子でも…食べてく?
言われて萩原が眼を輝かせる。
「うん、行くッ!!」
喜んで、良知についていく萩原を見て、島田は呆れて呟いた。
「…やっぱり、お菓子ばっか食べてんじゃん」
隣で,、石田が大きくに頷いたのはいうまでも無い。
END
*****************
…なんなんでしょうね、この話(爆)。
3話までひっぱっといてこんな話かよッ(爆)。
とりあえず、番外編終了v
また、この「不可思議」シリーズは続けるつもりです♪
今度は、ホラーな番外編でも書こうかなvv
TOP ≪≪BACK
|