++其の十五++
6番目の不思議を解決してからもう3日。
全員で集まるのが日課になってしまった良知の部屋で、島田が呟く。
「どうすんだよ、これから」
「どうする、って?」
良知に買ってもらったケーキを美味しそうに頬張りながら萩原が尋ねる。
「だってさ、なんにもしないまま、もう3日だよ?」
食い過ぎだよ…
と、横からケーキを取り上げながら島田が答える。
「…あ、僕のケーキ」
寂しそうに見つめる萩原にはかまわずに、大野に尋ねる。
「だいたいさ、2年前の七番目の不思議って一体なんだったんですか?」
返事はない。何か考えているようにずっと黙ったままだ。
「…大野君!」
「あ、何?ゴメン、聞いてなかったのじゃ」
「七番目の不思議ッ!!一体2年前何が起きたんですか??」
石田も興味深げに大野を見る。
「2年前ね、それだったらラッチも屋良っちもしってるじゃん」
何も僕に聞かなくても、ねぇ。
と、町田に同意を求める。
「…でもさ、実際封印したのは大ちゃんじゃない」
屋良が言う。
「そうそう、大野がわけわかんない呪文で閉じ込めたんでしょ?」
町田も言う。
「まぁ、そうだけど…でもね。2年前の事話しても参考にならないと思うけど」
そう言いきった大野に島田が驚いて尋ねる。
「なんで?」
「だって…今回のボスは、2年前とは違うよ」
ね、ラッチ。
さっきから黙ってコーヒーをいれる良知に問い掛ける。
「良知君、それどういうこと?」
石田が詰め寄る。
「大野君、なんで俺が見に行った事知ってんの?」
驚く良知、
「だって、ずっとラッチと精神つなげてたんだもん」
七不思議が話題になった時から、ずっと。
そういって微笑む大野。
まいったな…、そんな前から全部見られてたんだ。
そう呟いて良知がやっと口を開いた。
「屋良っちが封印が解かれてるかもって言ったことあっただろ?あの時、後から一人で封印を確認しに行ったんだ」
旧校舎の職員室の隅。2年前、大野はその場所に霊を封印した。
「ちゃんとね、封印されてたんだよ」
それはそれは厳重に、誰の目にも触れないまま封印されていたのだ。
「呼び出されている霊は2年前と一緒だけど、ヤツの封印は解かれていない」
「…って事は」
一体誰が?
全員が顔を見合わせる。
「とにかく、もう少し待ってみよう。必ず何か起きるはずだ」
絶対に現れるはず…
そう呟いた良知に突然萩原が呟いた。
「誰かが、封印を解こうとしてる…」
そんな気がするんだ…
萩原の言葉と同時に、大野が立ちあがる。
「慎吾、行くよ」
「どこへ?」
「…封印が、解ける」
*******
十五です。結局終わってません(汗)。
えっとですね、実を言いますと、ボスの設定が何にも決まっておりません(爆)。
今、これ書きながらかなり焦ってます(汗)。大まかなイメージはあるんですけどね。
さて、さして進展しなかった今回(爆)。でも、次回には確実にボスとご対面…するはず(ヲイ)。
今回は解説的な内容だったんで、次回はたっぷりと幸人にも大ちゃんにも活躍していただこうと考えてますvこんなお話ですが、見捨てず最後までお付き合いください。
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