++其の伍++
「のどかだねぇ…」
2日前の事が嘘のようだ…。
昼休み、お茶のペットボトルを両手で持ちながら窓の外を眺めていた萩原が何気なく呟く…と、
「萩原〜〜!!」
一時の安らぎが…。
ため息をついて振り向いた先には島田の姿。
「なぁ〜に、くつろいでんだよ!!ほら、行くよ!!」
と、相変わらず萩原を引きずっていく。
+++++++++
引きずってこられた先はもちろん生徒会室。
「皆、いる?」
島田がドアを開けると、そこには生徒会役員が勢ぞろいしていた。
「遅いよ、島田」
石田が言う。
「だってさ、萩原が…」
と言いながら席につく島田。
「…何?なんのあつまり?」
萩原が尋ねると全員が驚いたような視線を向ける。
「七不思議にきまってるだろぉ?」
他に何があんだよ…
と、屋良があきれたように答える。
「皆、まだやる気?結構危険だよ?島田だって怪我したし…」
そういう萩原に石田と島田がいっせいに反論する。
「一度首突っ込んどいて今更辞めれるわけないだろ!!」
「そうだよ。まだ一つ目しか解決してないのに!!!」
「それにさ、萩原いるし。ラッチだって大野君に認められたんでしょ?」
と、屋良も続く。
「…。良知君はどうなの?」
困った萩原は良知に助けを求める。
「…俺は、確かに危険だと思う。でも、このまま放ってはおけないよな」
その意見に他の3人は「だよなぁ〜!!」「それでこそ男だよな〜」とかいいながら盛り上がっている。そんな中、良知が小声で萩原に話し掛けてきた。
「だいたいさ、俺達に手を引けっていって、萩原1人でなんとかする気だろ」
「な、なんとかって??」
「あのさ、俺思うんだけど。お前、知らない間に呪文とか覚えてたって言ってたよな」
良知に聞かれ、ちょっとだけ間をあけて答える。
「…うん、そうだけど」
「それってさ、嘘だろ」
「え、え??なんで??」
「あれは、ちょっとやそっとの力じゃないよ。大野君も最初、たまたま出来たっていってたけど、やっぱりちゃんとした術者だったし…。萩原もきっと…」
「ま、いいじゃん。何でも。でも、ホント危ないと思うんだけどなぁ…。結構強力な霊だったよね、あの子」
と、萩原はなんとなく話を流す。
「…確かにね。実際島田も怪我してるし…」
と、その時ノックが聞こえた。
「どうぞ」
良知が言うとドアを開けて入ってきたのは…
「あっれ〜?何してんの?仁。今日、風邪で休みだったんじゃないの?」
島田が駆け寄る。
「島田ぁ…俺、ヤバイよ。見ちゃった」
青い顔をして呟く。
「見たって…何を?」
石田が尋ねると、赤西は深呼吸して気持ちを落ち着かせた。
「…実験室の幽霊」
一瞬の沈黙の後、「うわぁ〜〜〜」という二人分の叫び声が聞こえた。
「まったく、さっきまであんなに意気込んでたくせに…」
と、半ばあきれながら良知が赤西を椅子に座らせる。
「落ち着いて、状況を聞かせてよ」
赤西はゆっくりと話し始めた。
「昨日の夜中。幼馴染と花火してたんだ。で、帰り道に学校のそば通った時、七不思議の噂思い出して…」
「…で、行ってみようってなったわけだ」
馬鹿だな、お前。と屋良が言う。
「普通、夜中にそんな怖いとこ行こうとするか?」
そう続けた屋良に
「…さっきまでノリノリで行こうとしてたじゃん」
と良知が笑う。
「…それから、亀と二人で学校ん中歩き回って…」
「…亀?亀って亀梨の事??」
石田が聞く。
「うん。そうだよ」
「お前なぁ…夜中に中3を連れまわすなよ」
…っていうか、夜中に高校生がうろうろするのはいいのか?
と思いつつ萩原が続きを促す。
「で、何時ごろに実験室に行ったの?」
「はっきりはわかんないけど…。学校に着いたのが1:30くらいだから…」
色々歩き回って、約2時頃だと言う。
「…あれ?2年前に見たっていってたヤツも2時ごろだっていってたよな」
屋良が良知に問い掛ける。
「やっぱり屋良っち鮮明に覚えてるね。そういう記憶力、すごいよね」
感心して答える良知に
「…「そういう」ってところに刺を感じるけどぉ」
とちょっといじけて見せる屋良。
「…で、どんな感じだったの?」
尋ねた萩原に、赤西は少し黙って…それからゆっくりと口を開く。
「…最初、実験室のとこだけ少し明るく見えたんだ。だから電気ついてるのかと思って、近づいてみたら赤い光が漏れてて…」
窓をのぞくと、真っ赤に染まった部屋の中央の実験器具のあたりに血に染まったような感じの白衣を着た男がたっていたらしい。
「マジ、怖くって。亀も泣き出しちゃってさぁ。とにかく猛ダッシュで学校を出たんだ」
「そっか。じゃあ、部屋には入ってないんだね?」
「入れるわけないじゃん!!今日…ホントは学校休むつもりだったんだけど、生徒会が七不思議の謎解いてるって島田に聞いてたから…」
「それで、言いにきたわけだ。…窓から覗いただけなんだよね。その後すぐ、走り去ったんだっけ?」
だったら、その後どうなったかはわかんないか…。
と、良知が呟いた時、
「あ、でも…亀が実験室から走り去る時、振り向いたら実験室は光ってなかったって…」
「…全部さ、見間違いじゃねぇの?」
石田が言うと、赤西は興奮して立ち上がった。
「ぜってー、間違いないって!!!なんなら亀にも聞いて見ろよ」
立ち上がった赤西をなだめながら、良知が言った。
「…そうだな、亀梨君の話も聞いてみるか」
学校が終わったら、良知の家に亀梨も連れて集合。という約束を交わし、それぞれが教室へ戻っていった。
**ちょっとコメント**
さ、今回は仁亀の登場です。それにしても、この話長くなりそうなんですけど…(笑)もっと簡潔に書けばいいのか。(無理)
それにしても…まだ、ラストの設定なにも考えてないんだけど(爆)
ってか、この先すらもまだ考えてないし(殴)
いつも、パソに向かってから内容考えるからなぁ…。皆、どうやって書いてんだろ?普通は構成考えてから書くよね(笑)
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