++其の六++

 
「ほんと〜〜〜っに怖かったんだってぇ!!!」
亀梨は怖さのあまり、赤西に隠れるようにぴったりとくっつき、泣きそうになっていた。
「仁が言ってた、七不思議の通りだったんだよ。真っ赤な部屋で男の人が…」
俯いて言葉を詰まらせた亀梨に、
「間違い、ない?」
良知が聞くと、キッっと顔を上げ、
「見間違えなんかじゃないよっっ!!!」
と今にも泣きそうに叫ぶ。
「ごめん、疑ってるわけじゃないよ。で、走り去る時、振り向いてみた?」
「…うん。でも、振り向いたら真っ暗だった」
そっか…
萩原が頷きながらポッキーを食べてる横で、島田が身を乗り出して尋ねる。
「それって、何時頃か覚えてる?」
「…えっと、仁と花火しててぇ。学校着いたのが1時半くらいだったから…」
実験室の前を通ったのは2時頃だと言う。
「ほらぁ〜!!!言った通りでしょっっ!!!」
と、勝ち誇ったように赤西が胸をはった。
「こりゃ、間違いなく2時に現れるって事だね」
そういうと屋良は良知のベッドに横になろうとする。
「…って屋良っち。何やってんの?」
尋ねる良知に
「だって、今日行くんでしょ?2時に。だったらそれまで少し寝なくちゃね。体持たないよ」
おやすみ…
といって屋良は布団にもぐる。
「さすが…七不思議経験者は違うね」
石田は思わず感心してしまった。
+++++++++
「な〜んで、俺達まで一緒にいるんだよぉ!!!」
叫ぶ赤西に
「ここまで来といて今更それはないでしょ」
と、島田が言う。
「でもさぁ…」
渋る赤西を後ろから押しながら学校の門をくぐる。
「大勢の方が楽しいよ、きっと」
無理に引きつらせた笑顔で笑う石田に
「何人いても楽しくないよ…」
と、赤西にしがみついて離れない亀梨がぼやく。
石田君…ついさっき、中3を連れまわすなっていってたくせに…
そう思いながら萩原は実験室へ向かう階段をのぼる。
のぼりきって、実験室の方を見る、と
…光ってる、赤く
その言葉に全員が階段を駆け上がる。
全員が視線を送った先には、真っ赤な光を放っている実験室があった。
「…行こう」
良知が先頭に立って歩いていく。
「…さすが体験者だね」
と、囁く石田の後ろで
「ホント、凄いよね。勇気あるよね」
と、頷いている同じく体験者・屋良。
「早く来いよっっ!!」
良知が呼ぶ。
「…どうする?仁」
「ここまで来たからねぇ、行くしかないでしょ。亀、怖かったらココで待ってていいよ」
「…ていうか、1人で待つほうが怖いよ」
そういって二人も歩いていく。
そして島田も萩原も…
「先、行くよ?」
と、2人を置いて実験室へ向かった。
暗い廊下に二人きり…
「…行くって!!ちょっと待ってよ!!!」
+++++++++
近づくにつれ、空気が重く感じる。
…誰か、いる。
はっきりとそう感じる。実験室の中から気配がする。
この先にいるのは…この間の少女とは違う、もっと危険な感じがする。
大丈夫かな…
少し早くなってくる鼓動を静めようと、萩原はゆっくりと深呼吸した。

**またまたコメント**
ていうか、ホント展開遅くない?ま、いいや。焦らずのんびり書こう。
で、ホントはMADのメンバー以外はネタ提供者的に考えてたので、仁亀も最初は一緒に行動する予定ではなかったんですが、私の「もう少し仁亀書きたい」という単なる気分の問題で、長めに登場させちゃいました(笑)



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