++NO.18++

「おめでとう、直樹」
良知君から差し出されたボーナスを受け取る島田。
「悔しいなぁ…やっぱり直樹なのかよ」
友一君が言うと、
「あたりまえじゃん」
と勝ち誇るように笑う島田。
その時、
「でもね、僅差だったんだよ。惜しかったね…幸人君」
と良知君の声。
「え?」
突然言われて思わず聞き返した僕に
「ホントに少しの差だったんだよ。すごいね、幸人君」
とキラキラ笑顔で誉められちゃった。
「ホントに?」
「ホント。自分でもわからなかった?すごく、忙しかったと思わない?」
…そういえば、色々なお客さんといっぱいお話した気がする…。
「と言う事で、今日はお疲れ様」
良知君が言う。
そっか、僕ものすごく惜しかったのかぁ〜。
残念!!でも、次回は絶対負けないぞ!
と思わず島田を力いっぱい見つめていたらしい。
「何、見てんだよ」
俺の事、好きなの?指名料とるぞ。
意地悪く笑う島田。
「違うよ!!今度は絶対負けないから!」
宣言すると
「まぁ、頑張って」
と軽〜く返された。悔しい…。
「なぁ、面白いお客さんとかおったやろ」
と治樹くんが笑いながら話しかけてきた。
「あ〜居た居た!!結構色んなお客様きたよな」
友一君も笑いながら話に参加。
「何か座ったとたん「アイドルスマイルで宜しくね」って言われて、すげー頑張って笑ったもん、俺。やっぱり俺ってお客様のアイドルなんだな〜」
と続けた友一君に
「俺なんて「真性のホストですよね」って言われたぞ」
と島田。
「そういえば、直樹君「エロ顔」って言われてへんかった?」
一哉君に聞かれて島田は笑いながら頷く。
「そうそう。あとさぁ、誤解されてるみたいで…」
「何を?」
尋ねた僕に
「や、幸人に厳しいけど実は優しいですよね、って言われて」
…それ、誤解なの?と思っていたら
「俺は常に優しいっつーの」
な、幸人。
と聞かれても…返答に困る。
「俺なんて、「あなたの笑顔に騙されたい」って言われた」
治樹君が言う。
よかった…話がずれた。
「そのお客さん、治樹の事、よくわかってんじゃん」
よく騙してるもんな。
聞こえるように呟いた島田に、治樹君が
「うるさいわ。お前も言われとったやろ」
と、きり返し。
ちょっと、ケンカしたりしないでよ〜。っと思っていたら
「そういえばさ〜。店長って今SARIさんだけしか指名受けないってのに、かなり指名希望あったよな」
やっぱり、すごいよなぁ。
唐突に話題転換。
そんな石田君の言葉に全員が頷く。
「ホンマに、「見てるだけでいいんです」とか「素敵」とか「一目見るために通います」とか皆言うてて。凄かったもん」
一哉君が言う。それを聞いて
「そんな凄くはないよ」
と照れ笑いする良知君。
…誰かさんと違って謙虚だなぁ。
「それよか、なんでお前そんなに聞いてんのや」
と治樹君から一哉君にツッコミ。
「だって、僕、店長指名希望のお客様に「指名できないんですか?」ってよう話かけられてたから」
なんでやろな…。
そう首をかしげる一哉君に
「一番、話かけ易いんちゃう?だって、他3人は怖いし、一人はようわからんし…」
…ちょっと、治樹君。よくわかんない一人って…僕のこと?
「そのよくわかんない幸人のお客さんは皆お菓子ばっかり入れてたよな」
と、島田が笑う。
…やっぱり、僕の事だったわけね。ってそうじゃなくて。
「そんな事無いよ!!僕だってお客様に「ぎゅ〜っとさせて」っとか言われたよ!あと「幸人君の笑顔見ると癒される」とか」
と反論すると…
「それって、ぬいぐるみ感覚?」
島田のキツイきり返しが…。
「そんな事ないもん!」
僕が膨れていると、友一君がさりげなくまた話題転換してくれた。
「なぁ、特に覚えてるお客様っている?」
「いるよ、やっぱり。いつも来てくれてる子とか…印象深い子とか」
島田が言うと、
「ちょっと、話してかない?お互い、どんなお客様がついてるかなんて、普段知らないじゃん。そういうの聞くのって楽しそうだし」
友一君の言葉に皆頷いた。
「そうやなぁ、面白そうやな。せやったら「部屋」でも行ってゆっくり話そうや」
治樹君はそういうと「部屋」に向かって歩いてく。
「もちろん、店長もくるよね?」
と友一君に強引に引っ張られて、少し困ってる感じの良知君。
もしかして、良知君の接客の仕方盗めるチャンスかな?参考にしよ〜っと。
…だって、島田のは参考にならなかったしね。
*********
はいっ!!18話です♪
結局NO1は島田直樹様でした〜vv
が、非常に僅差で幸人がNO2に!!いやぁ、接戦でした〜。
この結果は後々企画モノの部屋にでもUP致しますv
今回は、コメントのみの指名分から抜粋して使わせていただきましたv
次回からは「回想シーン」と言う事で(笑)、お名前も入れていただいた方達のお話を作っていきたいと思いますv



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