++NO.21++ 「また逢いに来てね」 お客様を見送って、ホッと息をつき時計を見る。 悪いけど…俺のお客様はココで打ち止め。 開店と同時にお客様がいっぱいで…でも、出来るだけ気づかれないように早めにローテーションさせていたのにはワケがある。 だって…もうすぐ特別な時間。 あと、5分。 急いで、俺は7番テーブルに向かう。 そこには、ずっと俺を待っててくれてる特別なお客様。 俺が、ココでバイト始めた初日に、一番最初に指名してくれた人。 毎日のように俺に会いに来てくれる人。 俺が、仕事で疲れたり、嫌んなったりした時、ものすごく逢いたくなる特別な人。 「お待たせ!!」 ニッコリ笑って隣に座る。 「遅いよ〜」 「ゴメン、ちょっと指名多かったんだよ」 「それだけ友一が人気あるって事だもんね」 嬉しいけど、寂しいなぁ。 そう言って笑う彼女をギュッと抱き寄せた。 「でも、俺の一番はともえちゃんだから!」 「ホントに〜?」 「ホント、マジで。ともえちゃんが一番!!」 「なら、許してあげる」 ニッコリと笑う彼女に癒されながら、ふと時計を見る。 あと、1分。 「ともえちゃん、乾杯の準備!!」 「え?何??」 「いいから!!早く!!」 ともえちゃんにピンシャンを注いだグラスを手渡し、時計を見る…あと、15秒。 カウントダウン開始。 「いくよ!10・9・8・7…」 「何??なんなの?」 「4・3・2・1…Happy Birthday!!!」 大きな声でお祝い。グラスを合わせて乾杯。 「覚えてくれてたの?」 「あたりまえじゃん」 「ありがと〜!!」 「ともえちゃん、誕生日おめでとう!!」 すると… 「失礼。Happy Birthdayって聞こえてきたから…」 これ、店からのプレゼント。 そう言って、良知君がニッコリ笑って差し出したのは… 「これ…」 この店で一番高級なボトル。 「ありがとう!!嬉しいvv」 「本当は、全員集まってお祝いするのが定番なんだけど…」 二人には、邪魔でしょ? そう言って、良知君は笑って去っていった。 「全く、気が利くって言うかなんて言うか…」 呟いた俺に 「ね、友一からは無いの?」 と、ともえちゃんの声。 無いわけないでしょ。 「ちょ、待ってて」 そう言って、席を立って急いでロッカー室へ。 そこには、ついさっき届いたばかりの物。 後ろでに隠して、背後からともえちゃんに近づいて… 「改めまして、Happy Birthday♪」 そう言って、目の前に差し出したのは、真っ赤なバラの花束。 「ビックリした〜!!」 「どう?気に入った??」 「すっごく気に入ったぁ〜!!」 「良かった。あと、まだあるんだけど」 「え?何?何??」 「俺」 「え?」 「だから、俺」 「ウソ!?」 「ホント。仕事終わったら連絡してよ。その後は…ゆっくり家でゴロゴロする?それともドライブ?それともゴージャスにディナー?」 ともえちゃんの、好きにしていいよ? ともえちゃんは、笑顔で見つめた俺を見つめ返して… 「全部!!」 「は?」 「それ、全部やろうよ!!!」 俺以上に笑顔で俺の手を取った。 ++ ++ ++ 「…でさぁ、悪いんだけどさぁ。俺、バイト休むし」 と、嬉しそうに一気に話す友一君。 「…やっぱりノロケまくってんじゃねぇかよ」 島田が呟く。 ちょっと…島田の気持ちもわかる気がする。 ラブラブって感じだもんね… 羨ましいなぁ…。 「あんな、もうエエわ。お前、ニヤケっぱなしで気持ち悪いねん」 治樹君が言うと、 「え?俺、ニヤケてる?そっかぁ、やっぱり幸せだと顔に出るんだなぁ」 と、何処までも幸せ気分満載な友一君…。 も、いいや。ごちそうさま。 「ねぇ、僕店長のお話聞きたいんだけど」 「え?僕??僕は…そんなに聞くほどのことはないよ?だって、指名とってないし」 「や、でも聞きたい」 「ってか、直樹とかまだいたでしょ、色んなお客様」 と、良知君は島田に話を振る。 「あぁ、結構いたよ?聞きたい??」 「…別に」 思わず呟いた僕に 「あ?お前、いつからそんな生意気な口聞くようになったんだよ」 とジロっと睨まれた。 いつからって…昔からですぅ〜。 と思っていたら、 「そんなお前の為に、聞かせてやるよ。今後の勉強の為によく聞いとけよ」 NO1からのアドバイスだから。 そう言って、ニヤっと笑う島田。 …だから、島田のは勉強にならないんだってばぁ!!! ********* はいっ!!21話ですvvv お約束通り、ラブラブ満載でお送りしました〜vv ともえさん、いかがでしたでしょうか? さて、次回は…(サ○エさん風) ・島田、どこまでもオレ様。 ・店長、どこまでもキラキラ。 ・幸人、どこまでも食べる? の三本です(ウソ)。 って事で(何)、次回はまたしても島田さん。 一気に全員やるのもなんなんで、2回に分けてみました。 えっと…なおさんのお名前使わせていただきますvv あ、そうそう。皆様も、「ラブラブで」とか「勝負したい」とか(ぇ)色々ご希望のシチュエーションがありましたらお知らせ下さいv出来るだけご希望にそって書きたいと思ってます。 << TOP << BACK NEXT >> |