++NO.28++ 怒涛のようなご指名が一段落して、僕は「部屋」に足を向けた。 治樹君にすれ違ったら、 「幸人、頑張ってる?」 と聞かれて 「うん!!!頑張ってる!!!」 と答えたら 「偉いなぁ幸人は」 と頭をクシャっとやられた。 何だか、治樹君って怖いんだか優しいんだかわかんないんだよね…。 でも、すごく頼れるお兄さんな感じがする。 まぁ、たまに島田と一緒になってからかってくるけど、何気ない一言がお兄さんって感じがするんだよね〜。ただの意地悪じゃないんだよね〜。 「ちょっとまて」 話の途中で島田が口を挟んできた。 「何さぁ〜ジャマしないでよ〜話てんのに」 そういうと 「お前、今の流れ的に俺は治樹より子供で意地悪だって話になってってねぇ??」 島田の言葉に思わず詰まる。 確かに、そういう流れになってたかも… 「そ、そんな事ないよ!!!」 と言ってみるも… 「今、間が空いたよな」 と睨まれる。 「や、島田も優しいのはわかってるって!!!」 慌てて言ってみる。 「遅ぇよ今更」 そう呟いた島田は これからの対応も考え直さなきゃなぁ〜 とか一人でブツブツ言ってる…。 僕が困ってると… 「お前のそういうところが俺よりお子ちゃまやって話やん」 なぁ?幸人 と治樹君が笑う。 「はぁ??どういうとこだよ」 島田が言うと 「いくら照れ隠しやからっていじめてばっかやと、幸人も怒るんちゃう??嫌われんで、直樹」 小学生やあるまいし… 含み笑いの治樹君。 「な、何言ってんだよ!!そんなんじゃねぇよ」 と答える島田の顔が少し赤く見えるのは僕の気のせいかな…。 ま、とにかく… 「ねぇ、話続けてもいい??」 その言葉に拍子抜けしたような顔の二人は置いといて、僕は話を戻した。 「あれ、珍し。友一君だぁ」 そこには珍しく友一君の姿。 いつもは指名が切れる事ないからここにいるのは珍しい。 「や、ちょっとだけ休憩タイムってやつ?すぐ出るよ。もう待ってるらしいから」 参ったね、こうも人気があると。 「忙しくて悲鳴あげちゃいそうだよ」 と、ぼやいてみせるわりには満面の笑顔。 「さ、そろそろ行かなきゃ。じゃぁな」 幸人も頑張れよ!! と、友一君はいなくなった。 皆、人気者だな〜。 と一息ついたところに 「幸人さん。9番ご指名です」 とお呼びが。 あらら…僕も人気者なのね。 と少し嬉しくなりながら9番に向かうと、そこにはお久しぶりのお客様。 「幸人君〜!!!」 笑顔で手を振る猫塚さん。 「すっごく久しぶりなんだけど…猫塚さん、何してたの?」 逢いに来てくれないから、寂しかったよ。 と聞いてみると 「仕事忙しくて…」 ゴメン、と両手を合わせる。 それは仕方が無いよね。それでもこうして来てくれたんだもの。嬉しいやv 「忘れられてなかっただけでも嬉しいよvv」 とニッコリ笑うと 「忘れるわけないじゃない!!!」 とぎゅっと手を握られた。 「ありがと、猫塚さんvv」 と握り返してみる。 すると猫塚さんも握り返してきて… 繰り返してると何だか笑えてきて猫塚さんと二人でフフって目を合わせて笑った。 「さて、何飲むの?」 尋ねると 「う〜ん、とりあえずお菓子」 と答えが。 「お菓子??」 聞くと 「うん。幸人君の好きなお菓子。で、それを食べてる幸人君を見るのが私の幸せだからv」 「え、僕が食べてるのを見るだけでいいの?」 「そう。だって、幸人君すっごく幸せそうに食べるでしょ?それがすっごく癒されるの」 う〜ん、そんなに嬉しそうに食べてるんだ、僕。 でも、それで猫塚さんの疲れを癒してあげられるなら… 「わかった。僕、いっぱい食べるね!!!!」 テーブルの上にはお菓子の山。 それを食べる僕。 そして、それを見て幸せそうに笑う猫塚さん。 何て、心温まるホノボノした光景なんだろ… とか思ってたら 「よ〜し!!!幸人君に元気もらっちゃったvvだから、ボトル入れてくね!!」 「ほんとに〜!!!ありがとう猫塚さん!!!!」 こうして、またひとつ、僕のボトルが増えちゃったvvv ++ ++ ++ 「そっか。それでますます丸くなってんのか、お前」 とニヤっと笑う島田。 「ちょっと。そんないきなり太るわけないでしょ!!!」 反論すると 「日々の積み重ねがな」 と一言。 全く、島田ってば。 少し膨れた僕に 「大丈夫。太ってないよ。幸人君は今の感じがすごく癒し系でいい感じだから」 このまま頑張っていけばいいよ。 と優しく笑う良知君。 やっぱり店長は違う!!!優しさが桁違いだ〜。 「ありがと…僕、頑張るね!!!」 そう答えた横から 「そういえば…」 と一哉君。 「何??」 「途中で、幸人君と直樹、言い争いしてへんかった?」 そういわれて思わず大きく頷く。 「そうなんだよ!!!してたんだよ!!!だってだって島田がね!!!!」 そして、僕はまた話始めた。 ********* 大変長らくお待たせいたしました。 つーか、もう待ってなかったかもしれないですよね(滝汗)。 今回、猫塚さんでした。 こんなんでいいんでしょうか??いいんでしょうか?? かなり心配な今日この頃… そして、次回は大変長らくお待たせした雪兎さんです!!! ホントにお待たせしすぎ…。 でも、頑張りますのでお待ちくださいね!!! << TOP << BACK NEXT >> |