++NO.9++

「部屋」からお店の中を覗いてたら、康君と仲良く話してる女の人がいる。
「ねぇ、あの人。指名したりしないのかなぁ」
隣に座る一哉君に尋ねる。
「あー、ツカダさん?あの人はね、ホストやなくて、康がお気に入りやねん」
「そうなの?」
「そう、もう常連さんやねんけど、一度もホスト指名したことないんや。時々、ランダムで誰かつくことはあるけど…」
「ふーん、そういうのもあるんだぁ」
「や、特別やと思う。店長がね、無理に指名しなくてもいいですよ〜って言ってあげたらしいよ」
康の前の椅子は彼女専用席にしてあげたらしいし…
「へ〜、良知君ってイイ人なんだねぇ〜」
「そ、ツカダさん専用のカクテルとかもあるんやで」
「そうなんだ〜」
なんて話をしてたら、中村君が呼びに来た。
「幸人さん、ヘルプお願いします」
…ヘルプ?
「ヘルプって…なに?」
「あー、指名で入ってるホストのお手伝いみたいなもん」
「盛り上げ隊みたいな感じかな?」
頑張って。
と、一哉君に送り出されて向かった先には…島田がいた。
「あれ〜?何しにきたんだよ」
ムッ…酷くない?
「呼ばれたから」
答えて座る。席には2人のお客さん。
一人は…見るからに島田指名って感じだ。
だって…島田を見る眼がハートになってる…。
「アッコ。紹介するよ、コイツ、新人」
「幸人です」
ニッコリ笑いながらも、ふと思う。
…島田って、果てしなく偉そう。
でも、ここは島田の仕事の仕方を盗むチャンスッ!!
「えっと…アッコさん、しま…じゃなかった…直樹がお気に入りなんですか?」
「そうなのv」
ニッコリ笑うアッコさん。
そんなアッコさんの肩に手を回し…
「そ、だから今日も俺の為にボトルいれてくれるんだよなあ?」
ニヤっと笑う島田。
…ボトル入れてくれる人って、アッコさんだったんだぁ。
羨ましい…。
それにしても、態度のでかい島田に嬉しそうに頷くアッコさん…。
愛の力って…偉大だなぁ。
それだけ、島田に魅力があるのかなぁ。
…どの辺に?
じっと島田を見てたら「なんだよ」って眼で睨まれた…。やっぱり、怖いだけだよ〜。
島田が手を上げて、中村君を呼ぶ。
「何か?」
傅いて注文を聞く中村君に…
「ピンシャン…でいいんだよな?」
アッコさんを見て尋ねる。…ていうか、その眼、怖くて逆らえないよ…。
でも、アッコさんは嬉しそうに頷いてる。
「かしこまりました」
中村君が康君の所へ行く。
そして、またしても友一君が…
「えー、ボトル入れていただきました〜!!!」
周りにホストが終結してる。
…怖い。
「せーのッ!!」
「ありがとうございます!!!」
…あ、怖くて言うの忘れてた。
「お前、ちゃんとやれよ」
島田にまたどつかれた。
「いいじゃない、そんなに怒らなくても」
アッコさん…なんてイイ人なんだろう!!
「あー?なんだよ、アッコ。俺の事好きなんだろ?」
だったら、アイツの肩もつなよ。
強気の島田に、アッコさんの眼に星が輝いてる…。

確かに、島田モテるケド…全然参考にならないや。
だって…

やっぱり僕は可愛くなくちゃね。





*********
第9話です。
今回はアッコさんと…特別ゲストにツカダさんで(笑)。
偉そうな島田ご希望だったと思うんで、思いきり偉そうにしてみました(笑)。
いかがだったでしょうか?
さて、幸人vv
何にもわかってないようで、ぢつは自分のポイントしっかり押さえてるという…(笑)。
幸人は可愛いのが一番vvって事で、このまま可愛い路線でNO1を目指して欲しいモノです♪
もしかして、一番の策略家??
って、それはないな、きっと(笑)。

<< TOP                                 << BACK   NEXT >>