+第12話+

少しずつ、意識が薄らいでいく。
このまま…俺は…死ぬのか?
良知君を助ける事が出来ないまま…
…そんな、わけにはいかない!!
俺の首を締め上げる腕を、左手で掴む。
ありったけの力を込めて、その腕を引き離す。
少し、気道が楽になり、より力が入る。
「な、んだよッ!!抵抗するなよ!!」
「ってか、普通抵抗すんだろッ!!」
言い返した俺は、一気に腕を引き離し、そのまま影を足払いして床に倒した。
そのまま、上から抑え込む。
「俺さ、死ぬわけにいかないんだよ」
「…な、んでだよ」
「なんでって…普通、死にたくないもんじゃない?それにさ、俺…やる事あるから」
「やる事…?」
「そ、俺さぁ、約束したんだ。絶対助けるって」
「約束…」
「そう、約束。良知君とさ。だから」
死ぬわけには…いかない。
影の上に覆い被さり、とにかく動きを封じ込める。
片手が折れて使えない分、全身の重みで抑え込むしか方法はない。
「く、るし…ッ」
その声は、良知君の声で…思わず力を抜きそうになる。
でも…これは、影だ。良知君じゃない。
自分に必死に言い聞かす。
「お前さ、どうやったら元に戻るわけ?」
尋ねた俺に、苦しそうに潤む目を向けて影は答えた。
「死ねば元に戻るけど…お前に、殺せる?」
俺を、殺せる?
俺は、固まった。
その瞬間を逃さず、影は俺を思いきり蹴り飛ばした。
「ってぇ」
ベッド脇まで飛ばされる。
ヤバイ…俺は、一生コイツに勝てないかもしれない。
だって…見た目は完璧に良知君だし。
それに、コイツは良知君の生気を吸いとってるわけだから…
万が一、コイツが死んだとき、良知君に何かあったら…と思うと、手が出せない。
一体、どうすれば…
と、ふと肩に何かが触れた。
見ると、それは良知君の手で…
「良知…君?」
さっきまでピクリとも動かなかった良知君の手が俺の肩に触れ、しかもキュッとシャツを掴んだ。
…戦ってる。
良知君は今、必死に戦ってる。生気を全て吸い取られないよう、必死に戦ってるんだ。
それなのに…俺がこんなんでどうする!!
立ちあがった俺に、影は不敵な笑みを浮かべた。
「僕の事、殺したりできないよね?」
「うるせぇよ。お前は良知君じゃない」
「でも…元々は真次なんだよ?」
「…けど、今は違う」
「一心同体なんだよ…一卵性の双子って言った方がしっくりくるかな?とにかく、僕に何かあれば、真次だってただじゃすまないよ?」
……
それだけが、心配だった。
コイツの言うとおりかもしれない。
もしかしたら、良知君も助からないかも…
「ねぇ、僕の事、殺せないでしょ?」
影は、良知君の姿をした影は、ゆっくりと近づいてくる。
「だって…僕達、親友だもの」
そうでしょ?
ニッコリと笑って問いかけてくる。

どうする…どうすればいいんだ…
俺は…一体、どうすればいいのか。
影を、良知君に戻すにはコイツと本気で戦うしかない。
でも…そうしたら、良知君も危険かもしれない…。
どうすれば…いいんだ?
考えろ…考えるんだ…何が、一番いいのか…
どっちが、正解なのか…
考えるんだ…!!



*************
第12話です。
ってか、今回エンディングです。
下の二つからお好きな方を選んでクリックしてねvv
ラストはご自身でお選びください(笑)。
本当は、選んでもらった方のURLを請求でもしてもらおうかなぁと思ってたんですが、管理人的に時間の余裕がなく(汗)、多分読んで下さってる皆さんもめんどくさいだろうなぁと思いまして…どっちも読めちゃうので、面白くないですが、普通にリンク貼りました。
どちらを選んだか教えてくださると嬉しいですね(笑)。
実は…ココだけの話、最初は両方ともBADENDだったんです(爆)。
でも、さすがにそれは酷いだろ…って事で、どちらかはHAPPYENDになってます…多分(ぇ)。
では、EDでまたお会いしましょうvv

**************

*やっぱり、本気でなんて戦えない!!!なんとか影を説得してみせる!!

*良知君も戦ってる…こうなったら一か八か勝負だ!!!





<< NOVEL                                  << BACK